塗装予備知識
下地処理が一番大切
ここではこうした現状に対する下地処理についてご説明いたしましょう。この下地処理こそ塗装工事の中で一番重要なことであることは、当、ホームページを御覧下さったあなたならお解かりだと思います。
この下地処理を怠ると、せっかく仕上げ塗りにグレードの高いものを施工しても、すぐに剥がれたり、色あせが起こってしまいます。それでは一体どんな下地処理をしていくのかご説明いたしましょう。
①外壁の下地処理
高圧水洗洗浄
基本的な下地処理は水洗いとひび割れの処理になります。しかし、外壁材や外壁仕上げ材によって下地処理は違ってきます。次にそれぞれの外壁仕上げ材における下地処理についてご説明いたします。
砂壁状の仕上げ材の下地処理(モルタル・サイディングボード共)
砂壁状というのは、リシン・スタッコなどがありますが、これらはいずれも、はっ水性(水をはじく力)がなく、どうしても吸い込みがあるため、吸い込みの防止をする必要があります。これを防止するのがアンダーフィラーといわれる下地調整材です。
吸い込みのない仕上げ材の下地処理①(吹付タイル・サイディングボード塗装品)
工場で塗装されたサイディングボードや吹付タイルなど、比較的吸い込みのない下地に関しては、基本的に直接仕上げ材を塗装しても問題はありません。しかし、表面がザラザラしていたり、チョーキング(白化現象)が著しい下地についてはシーラーといわれる白色系(透明もある)の下地調整材(液体)を塗ります。
吸い込みのない仕上げ材の下地処理②(金属サイディング・鉄板)
まず、ケレンといわれる目あらしをします。これは紙ヤスリ・マジックロンと言うケレン工具などで表面をこすることです。
なぜケレンが必要かというと、金属系の壁はいわゆる鏡面(鏡のように表面がツルツル)であるため、付着強度がありません。そこでケレンすることによって表面に軽く傷を付け、傷の中に塗料をくい込ませるのです。
また、表面に錆びが発生している場合は、当然錆止め処理が必要です。錆止め塗料にもいろいろありますが、エポキシ系錆止めをお勧めします。これは内部に浸透する錆止めで、表面の錆びだけでなく、内部の腐食を防いでくれます。(更に錆の進行が進んでいる所には、錆止め塗装の前に、錆転換材と言う、錆を錆びずらい錆に科 学反応させる塗料を使用する事も、錆の再発を防ぐ為には必要です)
その他いろいろな下地がありますが、基本的にはシーラーやアンダーフィラーなどの下地処理材で付着強度を高める必要があります。また、木壁などはケレンの上、吸い込みが激しいため下塗りが必要です。
②屋根の下地処理
高圧水洗洗浄
永い年月が経過しますと、汚れ・埃・カビ・藻などが発生いたします。簡単に言うと埃落としなのですが、かなりの高圧で洗い流さないと意味は ありません。この水洗いによって汚れなどを落とし、現状の屋根と仕上げ塗装材との付着強度 を高めることができます
いずれも下地処理方法は同じですが、屋根専用のシーラーを塗ります。特に、2度目以上の塗り替をされる屋根については、浸透性シーラーを塗ります。なぜかというと現状の塗料よりも強い仕上げ材を塗ると、以前塗った塗料をはがす恐れがあるため、シーラーをより浸透させ、下地を固めてしまいます。
また、スレート瓦に特有ですが、表面がザラザラしている場合にはカチオン系フィラーというセメントのような材料で表面を調整する必要があります。
金属屋根(カワラボー)
屋根の金属も壁と同様に、ケレンといわれる目あらしをします。
これは紙ヤスリなどで表面をこすることです。なぜケレンが必要かというと、金属系の壁はいわゆる鏡面(鏡のように表面がツルツル)であるため、付着強度がありません。そこでケレンすることによって表面に軽く傷を付け、傷の中に塗料をくい込ませるのです。
また、表面に錆びが発生している場合は、当然錆止め処理が必要です。錆止め塗料にもいろいろありますが、エポキシ系錆止めをお勧めします。これは内部に浸透する錆止めで、表面の錆びだけでなく、内部の腐食を防いでくれます。
その他基本的に塗り替えのできない瓦があります。それは、洋瓦のような陶器状の屋根、特殊な金属屋根です。ただし、どうしても塗り替えできないということはありませんから素材の状況を専門家に見てもらい相談する事も大切です。